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by obsessivision
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無題

「・・・私、もうあなたとは会う気はないわ」
「本気で言っているのか」
「今まで何度もあなたに話そうとしてきたのよ。でもあなたは私に振り向こうともしないで」
「わかった。みち子はおれが育てる。慰謝料はあとで話し合う。それ以上お前とは話すことはない。みち子、行くぞ」
「いたい!パパ」
「あなた!みち子は私が育てるって言ったじゃない。何であなたはいつも勝手に決めようとするの」
「もういい。もともと今日は判を捺しに来てやっただけなんだ。じゃあな。みち子、元気でいるんだぞ」




「パパ!」
「みち子!!」
「みち子」
「あたしもいく。」
「わかってるのか?パパと一緒に行くとママにはもう会えなくなるんだぞ」
「・・・いい。パパといるもん」
「そうか。行くぞ」
「うん」
「みち子!!!」

後にした戸の奥から、獣ともつかない太い吠え声が聞こえてきたような気がした。少なくとも、人間のそれとは露ほども感じられなかった。
娘は私の袖にしっかりとしがみつき、もとより娘と私の二人しか存在しなかったかのように私の足取りは軽く、速かった。
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by obsessivision | 2005-11-07 15:56